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思考法

どうしてトレーダーはシンプルであることを嫌うのか?

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「おしゃれは引き算」とよく言いますけど、トレードに関しても、シンプルであればあるほどよいと思います。「テクニカルを使わない」「安易にトレードをしない」という消極的な態度こそが正解です。ところが、投資家(投機家)の大多数はこの流れに逆行しているようです。

よくtwitterで個人投資家の方たちのツイートを見るのですが、皆さん、大量にインジケーターやらなんやらを表示しているんですよね。水平線とかトレンドラインもガンガン引きまくっていて、「あれでよく勝てるなあ…」と思うことがしばしばあります。正直に言えば、そういう人たちが勝てているのか不明ですけど、勝っている人の中にもテクニカルを大量に使っている人がいます。僕ならそうした状態で勝つのは、絶対無理です。

ボリンジャーバンドを使うならボリンジャーバンドひとつだけの方が勝てると思うんですけど、ボリンジャーに重ねて、一目とかフィボナッチとか大量に重ねて表示するんですよね。ごちゃごちゃして見づらくないのかなあと不思議に思います。

テクニカルって、今どんな局面かを見るための、ただの目安だと思うんですよ。テクニカルには、「視点を固定化する・相場に対するアプローチの仕方をある程度まで決定する」という意味しかありません。少なくとも僕にとってはそうです。「テクニカルでシグナルが出たらエントリー」って言いますけど、実際、勝てている人たちってシグナルの裏をかいてトレードをしていることも多いし、テクニカルが出たからトレードというのは、どうも信用できません。テクニカルは最低限だけ表示すればいいと思います。

そもそも、シグナルが出るときって、上がった(下がった)からシグナルが出るのであって、シグナルが出たから上がる(下がる)わけではありません。どうも、因果関係を逆にとらえている人が結構いるようです。ボリンジャーバンドとかでもそうですけど、値動きに合わせて形を変えるじゃないですか。あれを見て、「平気で形を変えるものを、何も考えずに、シグナルにしていいのかな?」という疑問を抱かない人は、ちょっと感覚が鈍いと思います。

決して「テクニカルを使うな」と言っているわけではありません。ただ、複数のテクニカルをごちゃごちゃと表示して、至るところに「シグナル」を点灯させた状態でトレードをして、挙句の果てに大損をするなんて、ただの笑い話でしかありません。

トレードを複雑にしたがる人の心理には、複雑さから生まれる安心感への欲求があります。小さい子どもは、怖いことがあると、布団を身にまとって震えたりしますけど、あれと似たようなものではないでしょうか。あるいは、成績を上げるために大量の参考書を買うことに終始している受験生と一緒だと思います。何もない状態だと不安で、本当に自分が正しいことをしているのかわからなくなるから、複雑にしてごまかそうとするのかもしれません。

シンプルがいいんですよ、シンプルが。トレードの本質を突き詰めてみると、結局、上がるか下がるかしかないんですよ。「トレードしない」ことも含めて考えると、選択肢は3つだけなんです。それはテクニカルの数が1つでも5つでも同じです。水平線を50も引こうが引くまいが、僕たちにできる選択は、「売る」「買う」「様子見」しかないんです。トレードは、ものすごくシンプルなんです。

テクニカルを大量に表示している人は、1度統計をとってみるといいと思います。本当に、そんなにたくさんテクニカルを表示したり線を引きまくったりして、勝率が上がっているのかどうかチェックしてみるのです。僕も統計をとったことがあるのですが、テクニカルや罫線を増やしたからと言って、勝率が上がることはありませんでした。逆にシンプルにした方が勝率は上がりました。

世のなかには、プライスボードの値動きだけ見てトレードする人とか、ローソク足だけでトレードして、誰よりもいい成績を出している人がいるという事実を考えてみる必要があります。彼らと負け組の違いは、別に才能があるとかないとかではなく、いかに単純に、かつ本質的に、投資について考えているかだと思います。単純さにおいて、勝者は、誰よりも先を行っています。

スティーブ・ジョブズがこんなことを言っています。

 

Simple can be harder than complex. You have to work hard to get your thinking clean to make it simple. But it’s worth it in the end because once you get there, you can move mountains.
シンプルであることは、複雑であることよりもむずかしいときがある。物事をシンプルにするためには、懸命に努力して思考を明瞭にしなければならないからだ。だが、それだけの価値はある。なぜなら、ひとたびそこに到達できれば、山をも動かせるからだ。

 

考えてみると、「シンプルにできない」ことそれ自体が、トレーダーとして未熟である証拠なのかもしれませんね。スティーブが言うように、僕たちは物事をシンプルにするためには、いろいろと考えてみなければなりませんから。そして、考えることは、とてつもない重労働です。だから誰も考えようとしないんです。

「トレードをシンプルにできた!」と思っても、実際はまだまだ複雑なことをしていて、その確信の段階からまだ何段階もトレードをシンプルにできます。僕も日々、トレードをシンプルにしようと考えています。この試みに終わりはないような気がしています。トレーダーである限り、シンプルさを追究することからは逃れられないですね。

 

おわり!

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